森永製菓inゼリーPresents SANOスプリント;フィードバック・アンケート結果概要
総括:「森永製菓inゼリーPresents SANO スプリント」終了しました
SANOスプリント 大会総合プロデューサー
吉永 一行(よしなが かずゆき)
2021年に開始した「栃木県スプリント記録会」から通算すると8回目となる今大会には、男子100mで9秒95の日本記録をもつ山縣亮太選手(SEIKO)が出場してくださりました。
昨年のこの大会には、日本人女子初の12秒台ハードラー・寺田明日香選手(ジャパンクリエイト)、オレゴン世界陸上で4位に入賞した4×400mリレーメンバーである佐藤風雅選手(当時那須環境・現ミズノ)、中島佑気ジョセフ選手(東洋大)、ウォルシュ・ジュリアン選手(富士通)をはじめ多くの日本代表選手が参加してくださり、大いに盛り上がりましたが、今年はそれ以上の盛況ぶりとなりました。
「記録の出る競技場」 「良い感覚を掴みやすい競技会」
清酒開華スタジアムで行われるSANOスプリントを指して様々な有難いお言葉で形容される本競技会。そのような中で、日本史上最速の選手である山縣選手がSANOスプリントのスタートラインに並ぶ姿は、関係者全員が夢見てきた光景でした。
激戦必至が予想された男子100m。山縣選手以外にも、今夏にハンガリー・ブタペストで行われる世界選手権に日本代表として選出されている水久保漱至選手(第一酒造)を筆頭に、日本選手権のスタートリストと見間違えるほどの強豪スプリンターが集いました。女子100mにおいては東京パラリンピック入賞者である高桑早生選手(NTT東日本)が昨年に引き続いて出場してくださるなど、男女のそれぞれについて日本のトップクラスの選手にパフォーマンスを発揮していただきました。
今大会は合計すると900種目を超えるエントリーがありました。栃木県内外を問わず、中学生からマスターズ選手まで、様々な年代の選手にご参加いただきました。余談ですが、大会の2週間ほど前に大会のエントリーを開始しましたが、開始直後には相当数の申込みがあり、多くの方が出たいと思っている注目度の高い競技会なのだと感じるとともに気が引き締まる思いでした。
今大会における数々の新たな支援
今大会は森永製菓様が協賛してくださり、完走者全員に補給食を提供していただきました。大会スポンサー企業も徐々に増え、大会を強力に後押ししてくださっています。
また、今大会はボランティア補助員として地元・佐野市の高校生が運営スタッフとして大会を支えてくださりました。ボランティア補助員を募ったところ、あっという間に想定を超える人数が集まりました。彼らは陸上競技部員ではないにも関わらず、SANOスプリントを支えたいと思って集まっていただいた有志です。慣れない場面や業務が多かったと思いますが、懸命に活動していただきました。タイムテーブルの最後には「ボランティア補助員特別レース」を実施し、補助員の中から参加を希望する生徒を対象に特別100m走を実施しました。競技を終えた選手や観客の皆様が声援を送ってくださり、ゴール後に全員で「ありがとう」の言葉を伝えることができました。競技中の熱い雰囲気とは一味違った温かい雰囲気に包まれ、無事競技会閉幕となりました。
陸上競技の健全な振興と競技を通じた地域社会の発展を目指して
2021年に「2020東京五輪」が成功裏に終わり、国内におけるスポーツの価値の高まりは疑いようもありません。そして栃木県では昨年度に国体の開催を終え、そのレガシーを継承するため「スポーツコミッション」としてスポーツを通じた地域活性化を図る取組を進めています。さらに佐野市では、現在の基本計画の中で「明るく活力に満ちたスポーツの特性を活かし、スポーツを基盤に市民が豊かに暮らすとともに、スポーツツーリズムを推進することにより市外からの誘客を図る」こととしています。
SANOスプリントにおいて、県内にとどまらず全国各地の選手が集い、競い合うとともに交流を重ねる状況は、まさに地域活性化につながるものであり、社会がスポーツに求める役割を具現化しているものといえます。これまでのスポーツ振興と言えば、「選手強化」「競技の普及」の2軸を中心として取組がなされてきましたが、それらの概念を超えた価値を陸上競技の中から見いだし、上手にアウトプットできるよう努めていきたいと考えています。
昨年度組織された「一般社団法人SANOスプリント」では、こうした陸上競技の新たな振興に関わる活動を通じて、より豊かで明るい社会が実現されることを目指し、地域とともに発展と成長をつづけていきたいと願っています。挑戦し続ける選手の皆さまと同じように、支える私たちも挑戦を続けます。まだ誰も見たことのない、素晴らしい未来の風景を創りだすことを目指して。